翻訳のヒント[バックナンバー]

2017年7月 英文書簡8 - 手紙の「行き違い」の表現

 英文書簡のシリーズも先回の2013年8月(夏季休業の通知)から大分間が空いてしまいました。

 現地代理人とのやり取りでは、時としてこちらの書簡が先方からの書簡と行き違いになることがあります。

 例えば、現地代理人に何かの問い合わせをしたとします。その返事がしばらくたっても来ないとき、きっとあなたは「お返事をお待ちしておりますが、いつ頃ご連絡いただけるでしょうか」と問い合わせをするでしょう。その問い合わせを出した直後に、現地から入れ違いに返事が来た時、日本語でも「(お互いの手紙が)行き違いになったようですが・・・」、とか、「行き違いになったようで失礼いたしました」といいますね。

 ほかのよくある例は、こちらがすでに済ませた現地への送金と、現地からの送金催促がちょっとしたタイミングのずれで行き違いになり、送金しているのに催促が来るような状況などです。

 そのような時の英文例を下に掲げます。

It appears that my recent letter crossed your letter of June 1, 2017 in the mail.


 つまり、「メール・手紙の行き違い」には “cross in the mail” や”cross in the post” という表現がよく使われます。

なお、アメリカでは ”cross in the mails” と複数形にする人もいます。

 この場合の mail や post は 「封書やはがきなどの郵便物」という意味でなく、「郵送」、「配送」など、「郵便制度によって封書やはがきなどを送ること」を意味します。

 また、「(行き違いになったようなので)6月8日付の私の手紙は無視してください。」と言いたいときは、”disregard” を使って次のように言います。

Please disregard my letter dated June 8 .


 機会があればぜひ上の表現を使ってみてください。



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