2014年3月 翻訳のヒント(英訳) - 文法的に正しくても
特許明細書の英訳においては、文法上正しい英文を書くだけでは足りません。意図が正しく伝わるよう、読み手に対する気遣いを心がけましょう。例1.(原文)この添加物は、航空機の内装部材に好適な難燃性材料を製造するための本発明の樹脂組成物に高い耐熱性を付与する。
(訳例)"The additive gives the resin composition of the present invention for producing a fire-resistant material suitable for an interior part of airplanes high heat resistance ."
この訳文も、動詞give、間接目的語、直接目的語の順に並び、文法的に正しい英文です。しかし、gives に続く間接目的語部分が長いと、一読した時に読み手は混乱しかねません。このようなケースでは、直接目的語、to、間接目的語の順とすれば読み易く誤解されない文となります。
(改訳例)"The additive gives high heat resistance to the composition of the present invention for producing a fire-resistant material suitable for an interior part of airplanes."
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