2011年12月 英文書簡5 - 受領の連絡をすぐ出しましょう
現地から特許事務所或いは会社の特許部に英文書簡が来る場合、それらの書簡は形式的なもの(formalities-related letters)と実体的なもの(=発明内容に関係するもの、substantial matter-related letters) に分けられます。いずれの場合でも、単なる挨拶状や特に返信の必要の無い通知文を除き、すぐに返事をするのが「商売繁盛」のコツです。
日本人は国際的には一応、礼儀正しい国民として知られています。しかし、こと英文手紙のやり取りになると、つい面倒で放っておくことも多々あるようで、この点ではあまり礼儀正しいとはいえません。
相手の手紙で提起された事柄についてすぐ回答や報告ができない場合でも、次のように「お手紙を受領いたしました。じっくり拝読してから改めてご連絡します」、或いは「お手紙を受領いたしました。手続完了次第、ご報告申し上げます」という旨の一筆を出す習慣にして欲しいものです。
Dear Sirs:
(Signature)
Hanako TOKKYO
ABC Patent & Trademark Office
拝啓
上記出願に関する2011年12月1日付の貴信を拝受致しました。本件につきましては追って改めてご連絡申し上げます。
注) 上の書簡は特許や商標に関する日本出願について、現地の出願人会社やその代理人から来た指示について、受領を連絡するものです。第二文の "give this matter our timely attention" に着目してください。この表現は、書類提出の期限がある場合に(知財関連では常に期限が絡んできます)、「まだ期限は先ですが、期限日を念頭に入れて、できるだけ早く」対応することをほのめかしています。
また、"will write to you" でなく "will report to you" と書くと、現地からの書簡の内容が簡単な応答指示であること、また、日本特許庁に意見書・補正書の提出が終わった段階で「ご報告します」というニュアンスであることが汲み取れます。
なお、最近では、全てが簡略化されてきていますので、"RECEIVED" のゴム判を用意しておき、到着英文書簡の余白にこの判子を押してファックスで返送するのが簡単です。その際は受領日と担当者サインを一筆入れて置くようにしましょう。
E-mailも非常に便利ですが、時としてどこかで迷子になってしまって、相手方に到着することが遅れる場合も有ることを念頭に入れておくことが必要です。