2010年10月 英文書簡1-前払いの要求
知財関連の業務に限らないことですが、特に新規外国顧客には「前払いで御願いします」という書簡を書く必要が出てくることがあります。
こういう場合、単に "Please pay the amount in advance." 等と書いても英文表現として間違っているわけではありませんが、状況によっては不適切だったり、或いは相手方に無視されてしまったりすることもありえます。
次の文章は某社(仮にABC社とします)の若手社員が実際にe-mailで相手先に出した文章で、印刷の前にその費用の先払いを要求する内容です。会社の規則によって先払いが必要である、といっており、意図は十分伝わりますが皆さんはこの文章をどう思われますか?
文法ミスなどは実際には誰も問題にしないのでその点は抜きにしても、いろいろなご意見があるでしょう。ここでは、英文ビジネスレター経験の浅い日本人社員の書く英文に良く見られる残念な点を述べてみたいと思います。それは、"you must ...", "you should ...", "you had better ..." を何気なしに使っていることです。上の文でも "you must pay all ..." となっていますが、これは命令にも聞こえるかなり強い表現で、高圧的に響きます。 "I want you to accept ..." も同じです。
日本人の長所として国際的に知られている、「丁寧」、「礼儀正しさ」が残念ながら感じられません。
それではどういう表現にしたら良いでしょうか?下に例を掲げます。
とか、
とすると、高圧的でなく且つ決然としたステートメントになります。
第二文も want でなくhope を使った表現にすると良いでしょう。
ちょっとした文章表現でその会社・事務所のレベルが見えてしまうこともありますので気をつけましょう。