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2009年7月 化合物名・・・同じカタカナ綴りも英語にすると

化合物名には「アン」「エン」「イン」等で終わるものが多く、英語の語末が "n" となるか "ne" となるか辞書や用語集で確認することがあると思います。

ところがその化合物の誘導体や官能基は、カタカナ綴りが同じであっても英綴りが異なる場合があります。

ピリジン(例1)とシクロヘキセン(例2)を例として紹介します。

  1. ピリジン(塩基) [ pyridine ]
    ピリジン-3-オン(ピリジンのケトン誘導体) [ pyridin-3-one ]

    ピリジンは塩基ですので語尾は典型的な ne です。
    ところがピリジン-3-オン中の「ピリジン」の語末は ne でなく n となります。
    これは位置番号の3を除いてみると分かります。
    位置番号を付けない場合の基本的誘導体名はピリジノン(pyridinone)です。
    この英綴りに位置番号"-3-"を挿入しただけなので ne でなくnのままです。

  2. シクロヘキセン(炭化水素) [ cyclohexene ]
    シクロヘキセン-1-イル(炭化水素基) [ cyclohexen-3-yl ]

    シクロヘキセンは炭化水素ですので語尾は典型的な ne です。
    この場合の例1と同様に位置番号を取ると、その基名は「シクロヘキセニル」となりe が入らないことが分かります。

英訳の際に和文綴りを一括変換する際等、注意が必要です。尚、化合物名表記の詳細については、日本化学会発行の「化合物命名法」が参考になります。


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