翻訳のヒント[バックナンバー]

2022年9月 翻訳のヒント(和訳)- “what” は疑問詞?関係詞?

 いきなりですが、“what” は品詞としては、形容詞(例:What day is it today? — ジーニアス英和大辞典より)、副詞(例:What does it profit him? - リーダーズ英和辞典より)、間投詞(例:What! No bread? — ジーニアス英和大辞典より)もありますが、一番なじみがあるのは疑問代名詞としての用法と関係代名詞としての用法でしょう。

“what” を疑問詞として訳すか、関係詞として訳すかについては文法上、議論が分かれる場合もあり、また、どちらと考えて訳しても実際上、問題ない場合もあります。しかし、場合によっては両者を区別して訳すべき時もあります

その点を頭において、次の英文をどう訳しますか?

a) She knew what they wanted.
b) She gave them what they wanted.
c) The data were in agreement with what was observed at the feeder.
d) No one knows what was observed at the feeder.


a) については関係詞として訳すことと、疑問詞として訳すことが可能です。

関係詞として訳す場合: 彼女は彼らが欲しいものを知っていた。
疑問詞として訳す場合: 彼女は彼らが何を欲しいのかを知っていた。

上の2つの訳の意味は結局同じです。

b) については、疑問詞とすることはできず、関係詞として訳すべきです。

訳例: 彼女は彼らが欲しいものを彼らに与えた。

これは「彼女は彼らが何を欲しいのかを彼らに与えた」とは訳せません。

c) の what は関係詞です。

訳例: そのデータはフィーダでの観測結果と合致した。

d) の what は疑問詞です。

訳例: 誰もそのフィーダにおいて何が観測されたか知らない。


“what” を関係詞として訳すべきか、疑問詞として訳すべきかは文脈から判断し、自然な日本文とすることを心がけるとよいでしょう。


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